家庭内別居。離婚は認められますか?

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。

家庭内別居のイメージイラスト私は妻と結婚して20年になります。

しかし妻とは仲が悪く、もう5年以上、まともに話もしていません。

最近は同じ家に住んでいながら顔を合わせることもほとんどありません。いわゆる家庭内別居状態です。

このような妻と早く離婚したいのですが、何か方法はあるでしょうか。

 

説明する男性のイラスト妻が離婚に応じない場合、妻と速やかに正式な別居を開始することをおすすめします。

 

あなたが離婚の意思を伝えた際、妻がこれにすぐに応じるのであれば、双方が署名押印した離婚届を役所に提出することにより離婚が成立します。

しかし、妻が離婚に応じない場合、離婚届を提出する方法で離婚を成立させることができません。

次に、あなたは弁護士と相談のうえ、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることが考えられます。しかし、離婚調停も裁判所での話合いにすぎませんので、ここでも妻が離婚に応じないのであれば、離婚訴訟を行う必要があります。

 

法律のイメージ画像離婚訴訟では、法律上の離婚原因の有無を審理されることになります。

典型的な法律上の離婚原因は不貞行為ですが、性格や価値観の不一致などを理由に離婚を請求する場合は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」という法律上の離婚原因の存在を主張立証する必要があります。

この要件を満たしたといえるには、客観的にみて夫婦関係が破たんしていることが必要になりますが、性格や価値観の不一致のみからそれを判断するのは非常に困難です。

そこで、裁判所は離婚を前提とする長期間の別居が認められれば、この要件を満たすと判断する傾向にあります。

しかし、家庭内別居をもって、ここでの長期間の別居を証明することは非常に難しいものです。なぜなら、同じ家で生活している以上、そのなかでの出来事を客観的に証明することは非常に困難だからです。

そこで、客観的に見てもわかりやすいように、生活する家を別々にした正式な別居生活を行う必要があります。

この長期間の別居は、あくまで訴訟において離婚を認めてもらうための一事情にすぎませんが、離婚協議や調停に時間を要することが見込まれる場合には、訴訟になることを想定して速やかに別居生活を始めることが重要です。

このように、法律上の離婚原因があるというためには、客観的にみて夫婦関係が破たんしていると認められる事情を積み重ねていく必要があります。

離婚についてお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

どのような場合に離婚が成立するかはこちらをご覧ください。

 

 


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