年金分割請求はいつまですることができますか?

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。

年金分割の請求手続きは、原則として、離婚をした日の翌日から起算して2年を経過した場合にはすることができません。

悩む弁護士のイメージイラストしたがって、この期限を過ぎた場合には、家庭裁判所に対して審判又は調停の申立てをすることはできません。

 

ここで、離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過する前に家庭裁判所に審判(又は調停)の申立てをした場合に、審判が確定(又は調停が成立)する前に、この2年の期限が経過した場合はどうでしょうか。

この場合、審判が確定(又は調停が成立)した日の翌日から起算して1か月を経過するまでは年金分割の請求をすることは可能とされています。

なお、審判が確定(又は調停が成立)した日が、離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過した日前1か月以内である場合にも、審判が確定(又は調停が成立)した日の翌日から起算して1か月を経過するまでは年金分割の請求をすることができます。

期限のイメージイラスト

また、年金分割において必要となる情報提供の請求も、年金分割請求と同様に、原則として、離婚が成立した日の翌日から起算して2年以内に行わなければなりません。

情報提供の請求は、年金分割の按分割合を定めるために、当事者が分割の対象となる期間やその期間における当事者それぞれの標準報酬月額・標準賞与額等の情報を正確に把握するためになされるものです。

そして、当事者は、情報提供の請求の結果得られた情報をもとに、年金分割請求をすることになります。

そのため、情報提供の請求は、年金分割請求をするための準備のようなものであるといえます。

したがって、情報提供の請求の期限が、年金分割の請求と同様に原則として離婚が成立した日の翌日から起算して2年以内という期限であるとしても、後日年金分割請求をすることを考えると、情報提供の請求自体は早い段階で行う必要があります。

デイライト法律事務所小野佳奈子相談風景そして、年金分割請求以外にも期限に注意しなければならない請求は多いため、離婚の際には離婚を専門とする弁護士に相談されることをお勧めします。


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