面会交流で第三者機関を利用する際の利用料や条件について教えてください。

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。
子供達のイラスト面会交流の際、第三者機関(北九州市では「こふれ」など)を利用することもあると聞きました。
このような第三者機関を利用する場合の利用料や条件について教えてください。

北九州市では、面会交流支援事業を行っており、弁護士が合意書を作成した場合等の一定の条件のもとに、1年間は無料で利用可能です。

面会交流

疑問を抱く母娘のイラスト離婚の際、感情的な対立が大きく、相手方の顔も見たくないがために、面会交流に抵抗がある方もおられると思います。

しかし、面会交流は子どもの成長のために、原則として実施すべきで、制限しうるのは極めて例外的な場合に限るというのが、現在の裁判実務です。
制限事由としては、子への虐待がその典型ですが、そのような事情がない限り、たとえ、子が拒否していたとしても、なんとか実現する方法を模索していくというスタンスです。

夫婦喧嘩のイメージイラストこのように、面会交流を求められた場合、制限するのは極めて難しいということは念頭に置く必要があります。

実際、親同士の感情的な対立が大きく離婚自体が不可避だった場合でも、子どもは、どちらの親のことも大好きであることは多いものです。
そうすると、お子さんと同居して育てている方の親は、相手方とお子さんを会わせなければいけないことを前提に、どうすれば円滑に面会交流が行えるかを考えなければなりません。

面会交流に抵抗がある方の親は、「離婚後も子どもにとっては親同士であり、子どもの健全な成育のためには、面会交流を行った方が良い」という原則をよく理解しておく必要があります。
そのうえで、面会交流の回数を重ねるごとに実績を積み上げ、「子どもの親」としての信頼関係を築いていくことが大切です。

面会交流について、こちらも合わせてご覧ください。

 

第三者機関の利用

解説する女性のイラスト弊所の弁護士は、上記の観点から、離婚成立前から面会交流を実施し、親同士の信頼関係を構築することに努めています。
弁護士が代理人として就いている間は、面会交流の在り方について、いろいろと試行錯誤ができるので、離婚後の面会交流もスムーズに実施しやすくなります。

ただし、どうしても、感情的な対立が根深く、第三者を通してしか面会交流を行い得ないという場合もあります。

その際は、FPICやこふれ等、以下のような面会交流を支援する第三者機関を利用することもあり、以下のような支援が想定されています。

付き添い型支援

別居親に子どもを合わせることに同居親が不安を感じている場合に、面会交流の場などに支援員が付添う方法による支援です。

受渡し型支援

別居親に子どもを会わせることに問題はないが、父母が顔を会わせたくない場合などに、支援員が面会交流の日時、場所等について打合せや調整を行う方法による支援です。

 

ただし、これらの施設の利用には利用料がかかります。
詳しくは、利用する機関のHPをご参照いただきたいのですが、1回の面会交流で1万円はみておく必要があります。

 

北九州市の面会交流支援

○を出す主婦のイラストこの点、北九州市は、面会交流支援事業を行っています。
この支援事業においては、原則として、無料で1年間利用できることに特徴があります。

ただし、お子さんが15歳未満であり、お子さんと同居している親が北九州市内に住んでいること、面会交流について父母間で取り決めを行っていること、等の条件を満たす必要があります。
詳細は、北九州市立母子・父子福祉センター(093-871-3224)にお問い合わせください。

ここで、重要なことは、面会交流について父母間で取り決めを行っていることが必要ということです。
そして、その確認のために、①弁護士が作成した合意文書、②面会交流についての取り決めがある公正証書、③裁判所による面会交流についての取り決めがある調停調書のいずれかが必要で、口頭での合意では足りませんので注意が必要です。

 

 

この制度の利用をご検討の方は、北九州の離婚専門の弁護士までご相談くだい。

弁護士へのご相談はこちらからどうぞ

 

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北九州市立母子・父子福祉センター

 

 


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