不貞行為をしたら親権者になれませんか?【弁護士が解説】

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)

弁護士の回答

不貞行為そのものは親権者の判断に影響しないと可能性が高いと考えられます。

 

不貞行為と親権

弁護士しばしば当事者の一方が不貞行為をしているとして、これを理由に親権者として適格性がないという主張がされることがありますが、こうした有責性は親権者の判断において、あまり重視されません。

なぜなら、親権者の判断においては子の福祉、つまり、その子どもにとって最善の利益は何かという観点を重視すべきであり、不貞行為をしたこと自体をあまり重視すべきではないからです。

親権とは、親が未成年者の子どもを一人前の社会人に育成する職務上の役目のことをいいます・そして、子供の親権者としてふさわしいかどうかということを「親権者の適格性」といいます。

子どもを健全な社会人に育てるには、それに必要な生活基盤が安定していなければなりません。

それには、物質的、経済的条件だけではなく、精神的、身体的条件が備わっている必要があります。

この点、不貞行為をした結果、子どもの監護養育がないがしろにされたり、婚姻中に不貞相手を子どもに会わせるなどして子どもに不安をあたえるような行為をしたというような事情があれば別ですが、不貞行為をしたということと子どもの親権者としての適格性を欠くということは、必ずしも連動するものではなく、不貞行為を行ったということのみをもって、親権者となることができないということはありません。

一方当事者が親権者となるのが不適当な理由としては、

  1. ① それまでの監護養育の状況に問題があったり、今後も同様であると考えられるような場合
  2. ② 子どもに対して暴力を振るうような場合
  3. ③ 従前から監護養育に関与しておらず、今後も監護養育をすることができない状況にあること

などがあげられます。

親権について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

 

 

親権を取得するためのポイント

上記のとおり、不倫そのものは親権者の判断に影響を及ぼさないと考えられますが、相手からは不倫の事実を主張されることが予想されます。

このような親権をめぐる事案での対応のポイントをご紹介します。

 

①子供の監護状況について主張立証する

  • 家族

親権者の判断においては、様々な考慮要素がありますが、子供の年齢が小さい場合、これまでの「主たる監護者」がどちらであったのか、という点が重視されます。

そこで、過去の子供の監護状況について、主張立証していくことがポイントとなります。

具体的には、次のようなチェックポイントがあります。

チェックポイント

上記のほか、生活状況(住居の状況)、監護補助者となり得るもの状況(援助の可能性)、双方の収入、教育方針、面会交流の状況、子供の心身の状況等も重要となります。

これらについての具体的な主張内容や立証方法については、専門家に助言をもらわれるとよいでしょう。

②調停段階での調査官調査を活用する

調停の流れイメージイラスト親権は、双方とも諦められない場合、最終的には離婚訴訟の中で決着をつけることとなります。

しかし、訴訟は一般的に解決まで長期間を要します。

離婚裁判について詳しい解説はこちらのページを御覧ください。

 

そこで、当事務所では、調停段階での調査官調査を積極的に活用しています。

調査官とは、家庭裁判所の専門職の職員で、親権問題で争いとなった場合、親権者として適否等についての調査を行い、報告書を作成してくれます。

報告内容に拘束力はありませんが、後々の裁判にも大きな影響を及ぼすと考えられます。

したがって、例えば、報告書に「母親が監護者として相応しい」などの記載があれば、相手が親権を諦めてくれて、早期解決につながる可能性もあります。

 

まとめ弁護士以上、不倫を行った場合の親権者への影響について解説しましたがいかがだったでしょうか?

不貞行為があったとしても、それ自体で親権者として不適格となりません。

しかし、親権者の判断には、様々な事情が考慮されるため、相手が親権を希望する場合、過去の監護状況等について主張立証していくことがポイントとなります。

この主張立証については、専門の弁護士でなければ適切なサポートができない可能性があります。

そこで、親権でお悩みの方は、ぜひ一度、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

当法律事務所の離婚事件チームは、親権の諸問題に精通した弁護士のみで構成される専門チームです。

離婚問題でお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

ご相談の流れはこちらからどうぞ

 

 


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執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)