未成年者の子は誰が親権者になるのでしょうか?
Q:現在17歳の娘が妊娠を黙っており、先日、出産しました。
父親は誰だかわかっており、現在結婚するか話し合い中です。
まだどちらも学生なので、子どもの面倒を見ることはできないと思います。
このような場合、誰が子どもの親権者として面倒をみることになるのでしょうか。
娘さんが相手の男性と入籍するか否かで変わります。
親権に服する未成年者が婚姻した場合、成年に達したものとみなされ(成年擬制)、生まれた子どもの親権を行うことができます。
一方、未成年者が婚姻関係によらずに子どもを出産した場合、母親の単独親権となりますが、その母親の父母が代わって親権を行うことになります。
また、未成年者である父親が生まれた子どもを認知し、親権者指定の協議により親権者に定められた場合にも、その父母が未成年者の父親に代わって親権を行うことになります。
親権とは、親が未成年者の子どもを一人前の社会人に育成する職務上の役目のことであり、
① 子どもに対する看護教育の権利義務
② 子どもの財産上の管理処分の権利義務
にわけられます。
親権は権利という側面もありますが、義務としての側面の強さから、これを譲渡したり、放棄することは許されません。
子どもの父親または母親が未成年者であるときは、親権者としての責任を十分果たすことが期待できません、そのため、子どもの父親または母親の親権者、すなわち子どもの祖父母が父母に代わって親権を行います(親権の代行)。
親権に服する子どもは未成年者です。
これは、実子であるか養子であるかを問いませんし、自立して生活しているかどうかも問われません。
しかし、親権に服する子どもが婚姻すると、成年に達したものとみなされるので、その父母の親権には服さないことになるのです。
なお、婚姻によって成年に達したとみなされた未成年者が20歳になる前に離婚した場合であっても、いったん生じた成年擬制の効果は消滅せず、再び未成年者に戻ることはありません。