面会交流に条件をつけることができますか?【弁護士が解説】

執筆者 弁護士 勝木萌
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)

弁護士の回答

条件次第では合意内容に含ませることもできます。

しかし、養育費の支払を条件として面会交流を認めるというようなことは、実務上は難しいと考えられます。

 

面会交流とは

面会交流とは、定期的に子どもと面会し、交流する制度です。

面会交流について、仮に、親の権利であって、自由に内容を決めることが可能であれば、条件についても当事者間で自由に決めることができるはずです。

そこで、面会交流の権利の有無や法的性質が問題となります。

この面会交流の根拠は、民法に規定があります。

離婚後の子の監護に関する事項の定め等

第762条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。

3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前2項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。

ここで注意が必要なのは、「親が交流する権利」とは規定していないことです。

すなわち、「子との面会及びその他の交流」という言葉は使ってありますが、子の監護に関する一態様とされているにすぎません。

また、最高裁も、親の権利としてではなく、子の監護の処分として位置づける立場を明確にしています(最高裁平成12年5月1日)。

さらに、子の監護の処分については、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と明記されています。

したがって、面会交流の条件については、双方の親が自由に決めることができずに、子の利益の観点から制限されるということになります。

当事務所では、面会交流に関するサポートも行なっております。

面会交流にご不安がある方はこちらもご覧ください。

 

 

養育費を支払ってくれない場合は面会交流させないという条件は?

相手が養育費を支払ってくれない場合、監護親の心情として、面会交流をさせたくないというのは自然です。

しかし、養育費の支払は、親の子どもに対する扶助義務であり、面会交流の実施とは直接関係がありません。

また、上述のとおり、面会交流の実施は、子の福祉の観点から判断すべきものとなります。

そのため、養育費の不払いの場合の面会交流拒否について、仮に当事者間で、離婚協議書に明記したとしても、法的な効力まで認めることは難しいと考えられます。

少なくとも、家庭裁判所の調停条項においてこのような条件をつけてもらうことはできないと考えられます。

もっとも、養育費の不払いだけではなく、その他の諸事情から、面会交流を制限することが子の利益に適うという状況であれば、面会交流拒否が正当と認められる場合もあるかと考えられますので、専門家に相談の上進めていかれたほうがよいでしょう。

 

 

年齢条件はつけられる?

面会交流について定めるにあたり「子どもが○才になったときから、面会交流を実施する」というような条件が希望されることがありますが、望ましくないでしょう。

面会交流の実施は、子どもに対する影響が大きいので、成長過程やその時々の環境に応じて子どもの心身の状況には十分な配慮が必要となります。

 

 

宿泊条件はつけられる?

面会方法の条件として、宿泊を伴う面会交流について定められる場合もあります。

これは、子どもと離れて暮らしている親が遠方に住んでいる場合のみならず、近隣に住んでいる場合でも条件として取り入れられることがあります。

また、家庭裁判所の調停実務でも、宿泊付きの面会交流を条件として定めるケースは多くあります。

もっとも、子の福祉を十分に考慮したうえで、両親が十分協議して定めるべきでしょう。

 

面会交流時の引渡し方法は?

家族面会交流において、子どもと暮らしている親のもとから、離れて暮らす親のもとへ、子どもが引き渡されることになります。

その際、例えば母親が子どもと暮らしている場合で、「子どもが父親と面会交流をすることは認めるけれど、母親が父親と会いたくない」というケースがあります。

面会交流は、子どもの健全な発達のために実施されますが、その際、両親が離婚もしくは別居という事態で顔を合わせることが気持ち的に負担であっても、双方の接触や交流を続けることは不可欠です。

子どもがまだ幼く引き渡すには付き添いが必要な場合で、面会交流のために連絡を取り合うことは仕方ないとしても、直接顔を合わせることまではしたくないという方もいらっしゃいます。

このような場合、母親の親族等の信頼できる人に協力してもらい、子供の受け渡しを手伝ってもらったり、立ち会ってもらうケースもあります。

また、面会交流の際に第三者機関を利用するという方法もあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

まとめ弁護士以上、面会交流の条件について解説しましたがいかがだったでしょうか?

面会交流は求める側、求められる側のいずれにとっても、今後の人生に大きな影響を及ぼします。

したがって、面会交流でお悩みの方は、ぜひ一度、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

当法律事務所の離婚事件チームは、面会交流の問題に精通した弁護士のみで構成される専門チームです。

離婚問題でお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

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面会交流
執筆者 弁護士 勝木萌
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