試行的面会交流とは?【弁護士が解説】

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。

弁護士の回答

試行的面会交流は、裁判所の一室を利用するなどして、実際に子どもと同居していない一方の親と子どもが面会交流を行うことを言います。

 

面会交流とは?

電話をする子供のイメージ画像そもそも面会交流とは、子どもと同居(監護)していない親が子に直接会ったり、または会わない場合でも電話や手紙などを通して意思疎通を図ることを言います。

この場合の親は、離婚した親だけでなく、婚姻中の親も含まれます。

何らかの理由で子と一方の親が別居している場合、子がその親と会う場所や頻度、方法をめぐり話し合いが行われることがあります。

当事者間の話合いでの解決が難しければ、裁判所の調停などを通して行われることになります。

これが面会交流の調停です。

面会交流について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

試行的面会交流とは?

試行的面会交流は、裁判所の一室を利用するなどして、実際に子どもと同居していない一方の親と子どもが面会交流を行うことを言います。

試行的面会交流が行われる場面
面会交流調停・審判のほか、子の引き渡し・監護者指定の調停・審判など、子の監護を争点とする手続のなかで行われます。

試行的面会交流は、家庭裁判所の調査官が裁判官から「試行的面会交流の援助」の調査命令を受けて行われますので、それがないにも関わらず、当事者が調停期日に突然子を連れてきて、もう一方の親に会わせるなどの方法で行うことはできません。

子供と遊ぶ男性のイメージ画像試行的面会交流の際、家庭裁判所の調査官がこれに立ち会います。

調査官は、面会交流の際の子どもの様子や親の様子を観察、記録し、のちに調査報告書にまとめます。

この調査報告書は、そのとき行われている裁判手続のなかで非常に大きな役割を果たすことになります。

また、通常、試行的面会交流はマジックミラーのついた部屋の中で行われますので、弁護士に依頼している場合は、代理人である弁護士もマジックミラー越しにその様子を観察できることが多いです。

 

 

試行的面会交流が行われる日時は?

試行的面会交流は、裁判所の職員である調査官立会いのもと、裁判所で行われますので、平日の午前9時ころから午後5時ころの間に行われることになります。

したがって、お仕事をされている方は、お仕事の時間を調整していただく必要がありますし、お子さんも場合によっては学校を早退するなどの必要が出てくることもあります。

時間の調整は大変な作業ですが、とても大切な手続になりますので、時間をしっかりと確保し、集合時間には遅れないように注意する必要があります。

家庭裁判所の調査官の前で行われる試行的面会交流は、いつもと違う状況にお子さんも親御さんも緊張して戸惑うこともあります。

 

 

面会交流を争う方法

面会交流の実施の有無・頻度・方法等について、当事者(父母)の意見が対立してまとまらない場合、もはや当事者だけでの解決はできません。

このような場合に、面会交流を争う方法としては、①弁護士による交渉、②調停手続などの方法が考えられます。

これらの特徴とメリットやデメリットについて、解説します。

①弁護士による交渉

相手が要求に応じてくれない場合や相手と直接話したくない場合に、弁護士に相手との交渉を依頼するというものです。

弁護士であれば、法的な根拠や裁判例などを示すことで、相手に対し、こちら側の正当性を説得的に主張することができるでしょう。

また、離婚の場面では、相手と接触したくない、関わりたくない、などと感じる方が多くいらっしゃいます。

弁護士を代理人とすれば、弁護士が全面的に窓口となるのでこのようなストレスを感じることが減るでしょう。

さらに、調停手続きと比べて、早く解決できる可能性があります。

デメリットとしては、弁護士に依頼すると、報酬というコストが発生することです。

そのため、まずは相談をされてみて、どの程度の報酬が発生するのか、確認されるとよいでしょう。

なぜ弁護士に相談した方がよいのかについては、こちらをご覧ください。

 

②調停手続

面会交流で揉めた場合、裁判所の調停手続を利用するという方法があります。

調停は、公平な第三者である調停委員会が間に入り、話し合いによる解決を目指すというものです。

また、面会交流がうまくいかない事案では、試行的面会交流が行われる場合があります。

そして、面会交流の実施の是非や今後の実施方法等について、調査官の意見が示されることがあるため、それをきっかけとして紛争が解決する場合もあります。

しかし、あくまで第三者の立場からの意見であるため、どちらにとって有利な結果となるかはわかりません。

また、裁判所を通すため、解決まで長期間を要する傾向にあります。

特に、試行的面会交流が行われる事案では、調停の期間だけでも1年を超える事案が多く見受けられます。

そのため、調停に進むか否かは専門家にご相談された上で判断されたほうがよいでしょう。

調停手続きについて、詳しくはこちらのページを御覧ください。

 

まとめ弁護士以上、試行的面会交流と面会交流を争う方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

面会交流は求める側、求められる側のいずれにとっても、今後の人生に大きな影響を及ぼします。

したがって、面会交流でお悩みの方は、ぜひ一度、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

当法律事務所の離婚事件チームは、面会交流の問題に精通した弁護士のみで構成される専門チームです。

離婚問題でお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

ご相談の流れはこちらからどうぞ。

 

 


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