面会交流にかかる費用はどのように負担するのですか?
夫との離婚が決まり、子どもの親権は私が持つことになりました。
夫からは月に1度の面会交流を求められており、その際にかかる交通費や飲食代などは私がもつことを要求されています。しかし、私としては、面会交流にかかる費用は夫に負担してもらいたいと思っています。
面会交流の費用はどのように負担するのがよいのでしょうか。
面会交流の費用負担の方法に決まりはありませんが、特別な合意のない場合、面会交流に関する費用は各自負担とするのが一般的です。
したがって、面会交流が行われる場所までの交通費や宿泊代は各自負担となり、面会交流の際の飲食代などは、面会交流で子どもと会う親が負担するケースが多いです。
もっとも、当事者が合意をすれば、その他の費用負担の方法も十分にあり得ます。
また、離婚後の両親の関係性や子どもの年齢などの事情から、面会交流の内容や場所などに条件がつく場合もあります。例えば、面会交流の受け渡しを必ず○○で行う、と条件をつけたり、面会交流自体を○○で行う、と条件を付けたりすることもあります。
最近では、面会交流の内容として、「面会交流を援助する第三者機関」を利用した内容での面会交流とする旨の条件をつけた合意をすることもしばしば見られるようになりました。福岡県にもこのような第三者機関があり、当事者間で直接面会交流に関するやり取りが難しい場合にはこの機関が利用されることもあります。
このような第三者機関を利用する場合には、一般的に利用料金が発生します。
しかし、この機関を利用することによるメリットは双方の親が受けているため、この利用料金を、離れて暮らす親に全額負担させるのが不公平な場合も考えられます。このように、面会交流の実施にあたり特別の費用が必要とされる場合には、双方の親が利用料金についてもきちんと事前に話し合う必要があります。
面会交流は、離れて暮らす親だけでなく、子どもにとっても離れて暮らす親からの愛情を受け取ることができるとても大切な機会です。したがって、その実施方法については、費用負担を含め、トラブルが発生しないよう、父母がよく話し合って決める必要があります。
面会交流に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。
面会交流の問題点
面会交流の費用に関する事案では共通して見られる傾向があります。
以下、紹介しますので、ご参考にされてください。
相手方との協議が難しい
離婚を決意されたことから、相手方とは「接触したくない」「関わりたくない」「話したくない」という感情が出るのはむしろ自然です。
このような感情をお持ちの場合、相手方に対して、費用の件で相談しにくいというケースがほとんどです。
そのため、相手方が負担すべき費用でも、我慢して支払っているような事案も見受けられます。
面会交流の調停は大変?
当事者同士での解決が難しい場合、家庭裁判所に面会交流の調停を申立てるという方法も考えられます。
しかし、調停手続は非常に時間がかかります。
特に、面会交流の調停は、調査官と呼ばれる家裁の職員が加わり、調査を実施するケースもあります。
そのため、通常の離婚調停以上に長期化する傾向があります。
調停は、平日の日中にしか開催されないため、仕事をされている方は休まなければなりません。
また、調停を実施して、解決できれば良いのですが、必ずしも良い結果になるとはいえず、事案しだいです。
そのため、調停を申立てる前に、面会交流に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。
面会交流に理解がある弁護士が見つからない
弁護士に相談する際、大切なことは、当該トラブルを解決できる弁護士を見つけるということです。
また、本事案のような面会交流の場合においては、単に「離婚に強い」ではなく、面会交流について理解がある弁護士が望ましいです。
子どもを相手方に合わせなければならないストレスについて、共感してくれる弁護士でなければ、親身な対応は期待できないからです。
しかし、現実には、面会交流に理解がある弁護士は決して多くありません。
できれば、ご自宅に近い弁護士がお勧めですが、お近くにそのような弁護士がいない場合、電話相談に対応してくれる事務所を探すことを検討してもよいでしょう。