義両親との不和は離婚理由になりますか?

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。

年配女性私は夫と結婚して8年になります。

3年前から、夫の両親と同居生活を始めました。

しかし、義両親とはうまくいかず、夫も私の味方をしてくれないため、これ以上結婚生活を続けることは困難と感じるようになりました。

そのため夫に離婚を申し入れるつもりですが、夫が簡単に応じるとは思えません。

どうしても応じてもらえない場合、離婚訴訟をする覚悟もあるのですが、そもそも義両親との不仲は離婚原因になるでしょうか。

 

×を出す男性のイラスト義両親との不仲のみをもって、裁判所に法律上の離婚原因として認めてもらうのは難しいでしょう。

 

夫があなたの離婚の求めに応じない場合、あなたは家庭裁判所の手続により離婚を求める必要があります。

家庭裁判所では、まずは離婚調停を行います。離婚調停はあくまで家庭裁判所での離婚の話合いの手続になりますので、夫が応じない限り離婚は成立しません。

調停が成立しない場合には、今度は離婚を求めて訴訟を提起することになります。

訴訟では、法律上の離婚原因の存在を主張立証する必要があります。

典型的な離婚原因は不貞行為ですが、典型的な離婚原因がない場合でも、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」が認められる場合には、家庭裁判所は離婚を認めます。

 

姑のイメージイラストご質問の義両親との不和は、この「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に関連する事情として主張していくこととなります。

しかし、この要件をみたすことを証明するのは、簡単ではありません。

特に不貞のように外から見てすぐにわかるものと異なり、義両親との不和は家庭裁判所がすぐ見て判断することは難しいものです。また、そもそも夫婦関係と義両親との関係は全く別のものであるため、義両親との不和により夫婦関係そのものが破たんしているといえなければ、先ほどの要件を満たしているとはいえません。

したがって、義両親との不和という事情のみをもって家庭裁判所に離婚を認めてもらうのは非常に難しいことから、その他の夫婦間の不仲の事情もあわせて主張立証することで、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」の要件をみたしていることを主張立証するのが良いでしょう。

特に夫婦の長期間の別居があると、裁判所は婚姻を継続し難い重大な事由があると判断する傾向にありますので、離婚協議が難航しそうな場合には、まず夫との別居生活を行うことが重要になります。

夫婦が離婚を決意する理由は様々ありますが、他方が離婚に応じない場合には、離婚訴訟を見越した行動をとる必要があります。

離婚のためにとるべき行動が分からずお悩みの方は、ぜひ一度、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

どのような場合に離婚が成立するかはこちらをご覧ください。

 

 


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