離婚を拒む妻。短い別居期間でも調停で離婚を成立させたRさんの事例

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。

ご相談者Rさん (北九州市小倉南区)
30代男性
職業:会社員
世帯年収:400万円
解決方法:調停離婚
子どもなし
離婚を切り出した

相手:30代パート

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 利益
離婚 不成立 成立

状況

Rさんは、妻と自身の親との折り合いが悪く、その原因が妻の態度にあったため、気持ちが冷めてしまったとのことで、離婚を決意しました。

しかし、妻は離婚について頑なに応じようとはしませんでした。

そこで、やむを得ず、弁護士に離婚協議を依頼することにしました。

弁護士の見通しとしては、別居期間が短いこと及び法定の離婚事由がないため、裁判所の判決での離婚は難しい状況でした。

そのため、やってみないとわからないという前提で受任しました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、協議離婚申入書を元妻に送り、離婚協議を開始しました。

案の定、妻は離婚については拒絶的な姿勢をとり続けました。

粘り強く、何度も交渉を続けましたが、妻の意思を離婚に向けることはできませんでした。

交渉開始から8ヶ月後、Rさんは弁護士と協議のうえ、離婚調停を申立てることにしました。

弁護士は、離婚調停において

  • 修復はありえず、将来的な離婚訴訟も考えてること
  • 提示している養育費が年収からいって適正額であること

を訴えかけました。

妻には、弁護士がついていませんでしたので、調停においては、妻の時間を多くとって、言い分を聞いてもらうように調停委員に働きかけました。

こうすることで、離婚に拒絶的な相手方も考えが整理されていくことが少なくないためです。

結果的に、これが奏効し、4回目の調停で無事に離婚が成立することになりました。

 

補足

離婚の成立について

相手方が離婚に同意しない場合、離婚訴訟において離婚判決をもらうことができる事案かどうかで交渉のスタンスが変わってきます。

すなわち、離婚判決をもらうことができる場合であれば、交渉においては、強気の交渉が可能です。

いわゆる「出るとこ出ましょう」という強気のスタンスで、交渉が決裂した場合も、離婚判決をもらえばそれで良いからです。

しかし、離婚判決をもらうことができない場合は、交渉においては、相手方に配慮した交渉が重要です。

交渉で離婚の同意を得る必要があるためです。

離婚問題においては、この差異を明確に意識したうえで、離婚協議(調停を含む)を行う必要があります。

なお、離婚訴訟で離婚判決を得ることが可能な場合というのは、以下の事由がある場合です。

民法770条1項の離婚事由
①不貞行為
②悪意の遺棄
③3年以上の生死不明
④強度の精神病
⑤これらに匹敵するようなその他

離婚問題においては、本件のように、法定の離婚事由がないことも珍しくありませんが、交渉のスタンスを間違えず、適切なタイミングで離婚調停を行うことによって、離婚が成立することも多々あります。

法律相談で、「離婚事由がない」と言われて諦めている方こそ、離婚問題に詳しい当事務所にご相談いただければと思います。

離婚事由について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 


執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。







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