離婚原因がないにもかかわらず3ヶ月のスピード離婚を成功させたSさんの事例
職業:会社員
世帯年収:700万円
婚姻期間:10年
解決方法:協議離婚
子どもあり (8歳)
相手:30代会社員
サポート無 | サポート有 | 増額利益 | |
---|---|---|---|
離婚 | 不成立 | 成立 | – |
親権 | – | 妻 | – |
養育費 | 4万円 | 5万円 | 月額1万円の増額 |
面会交流 | − | – | – |
財産分与 | 0円 | 230万円 | 230万円の増額 |
慰謝料 | – | – | – |
年金分割 | なし | 50% | 50%の増額 |
婚姻費用 | – | – | – |
Sさんは、平成20年に夫と結婚し、平成21年には娘が生まれまれるなど、当初は円満な夫婦生活を営んでいました。
しかしながら、婚姻生活を継続していくにつれ、Sさんは次第に夫との性格や価値観の不一致を感じるようになりました。
Sさんは、まだ子が小さかったことや、夫が浮気をしている等の離婚原因がなかったことから夫との離婚を踏みとどまっていましたが、夫を生理的に受けつけないといった状態になってしまったため夫との離婚を考えるようになりました。
そこで、Sさんのような状況で離婚をすることができないかと弊所の離婚専門弁護士にご相談をされました。
弁護士は、夫に対し協議離婚申入書を送付しました。
夫は、当初かなり敵対的な姿勢をみせており、即調停を申し立てると言ったり、自殺を仄めかしたりと情緒不安定なところがありました。
他方で、夫は弁護士の要求を受けて、夫の考える離婚条件を書面で送付してくるなど冷静な面もありました。
そこで、弁護士は、夫の言い分にも耳を傾け、早期に子との面会交流を実施したり、夫の言い分で妥当な部分については夫の要求を受け入れたりすることで、次第に夫も協力的な姿勢をみせるようになりました。
最終的には、夫は子のためという理由ではあるものの、養育費や財産分与で一定の譲歩をしてくれ、養育費については月額1万円の増額、財産分与については230万円の増額という結果になりました。
また、本事例では、しっかりと離婚条件を定めた上で、公正証書の作成まで含めて3ヶ月という短期間での解決をすることができたのが最大の特徴といえます。
本件のメインの争点について解説します。
離婚について
裁判所が離婚を認めるのは5つの場合に限定されています。
すなわち、①相手方の不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上生死不明、④回復の見込みのない精神病、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由の5つです。
本件において、Sさんは夫を生理的に受けつけなくなったという状況ではありますが、法的な離婚原因にあたるような事情はありませんでした。
そこで、万一裁判になった場合、裁判所に離婚を認めてもらうためには長期の別居期間を要すると考えられ、早期解決をするためには協議での解決を目指す必要がありました。
ただ、協議で解決するためにはお互いの合意が必要になるため、相手方にも離婚条件について納得をしてもらう必要があります。
そのため、協議での解決を目指す場合に、相手方が重きを置いているのがどの部分なのかを見定め、相手方が譲れない部分についてこちらが譲歩できるか否かを検討することが重要になります。
本事例において、面会交流を早期に実施したことが、早期解決の一番の決め手だったと思います。
Sさん自身は夫と子の交流を望んではいませんでしたが、子のためと割り切って考えてもらい早期に面会交流を実施したことで、相手方の信頼を得られ、またその他の交渉についてもスムーズに行うことができたました。
本事例のように、相手方が重要視しているポイントを理解し受け入れることで早期解決が可能になるケースは少なくありません。
なお、交渉において本音と建前を分けている相手方もおり、建前上子どもに関する要求をしていても、本音はお金を渡したくないと考えているような場合があります。
このような場合、早期解決をするためには、相手方が本当に重要視しているポイントを早期に汲み取る能力が不可欠であるため、交渉案件を多く取り扱っている弁護士に依頼をすることをお勧めいたします。
当事務所の離婚弁護士は、協議から訴訟まで多数の解決実績がございます。
離婚専門の弁護士をお探しの方は、是非弊所までお気軽にご相談ください。
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