婚姻費用とは?【弁護士が解説】

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)

弁護士の回答

婚姻費用とは、離婚が成立するまでの間の生活費をいいます。

 

婚姻費用とは

住宅ローン夫婦は、結婚すると同居し、共同生活を営みます。

こうした結婚生活を維持するには、住居費、光熱費、食費、医療費、被服費、図書費、娯楽費、諸雑費などの費用がかかります。

この費用のことを「婚姻費用」といいます。

養育費と似ていますが、養育費は「離婚後」の「子どもに要する費用」であるのに対し、婚姻費用は、「離婚が成立するまでの間」の支払い義務で、「子供だけではなく、パートナーの生活費」を含むものです。

したがって、通常の場合は、養育費よりも高額になります。

 

 

別居しても請求できるのか?

弁護士婚姻費用が問題となるのは、離婚を決意してから別居するときです。

なぜなら、同居しているときは家計は一つであることが多く、別に生活費を請求しなくても問題とならないケースが多いからです。

しかし、離婚を決意すると、通常は別居を考えます。

別居しようとする段階では、収入がない、または、少ない側(多くの事案では妻側。以下「権利者」といいます。)は、今後の生活に不安を感じるでしょう。

そこで、収入が多い側(多くの事案では夫側。以下「義務者」といいます。)に対して、生活費を請求するという状況になります。

他方で、義務者としては、離婚を前提として別居している相手に対して、なぜ婚姻費用を支払う必要があるのか、と感じることが多いでしょう。

特に、自分が了承もしていないのに、子供を連れて突然別居されたようなケースでは、婚姻費用を支払うことに抵抗を感じる方が多くいらっしゃいます。

そこで、別居している場合に婚姻費用を支払う必要があるのかが問題となります。

家族夫婦と子どもで構成される家族は、夫婦の社会的な地位や身分にふさわしい対等の生活を営み、円満な家庭生活を維持すべきであると考えられています。

また、夫婦には、法律上相互に協力扶助義務があります。

その一つとして、収入が多い方が、他方に生活費を渡す義務があるのです。

したがって、別居していても、いくら夫婦の関係が冷め切っていても、婚姻関係にある以上、婚姻費用の支払い義務が認められます。

 

婚姻費用の適正な額は?

では、その額をいくらとすればよいのか、なかなかわかりにくいのがこの婚姻費用です。

法律上、婚姻費用の額は、「資産、収入その他一切の事情を考慮」すると規定されていますが、実務上は、夫婦の収入が重視されています。

夫婦の収入から、一定の計算式に当てはめて、婚姻費用の適正額を算出することが可能です。

この計算式を早見表にしたものが、家庭裁判所がつくった婚姻費用算定表と呼ばれるものです。

算定表を使った具体的な計算についてはこちらのページでくわしく解説しています。ぜひ御覧ください。

当事務所では、婚姻費用の目安を素早く確認したいという方のために、オンラインで、かつ、無料で自動計算できるサービスをご提供しています。

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婚姻費用のポイント

POINT①婚姻費用の適正額を調査する

婚姻費用は、相手が主張する額が適正額とは限りません。

現在はネットなどで、ある程度自分で調べることもできますが、参考程度に留めて、正確な額は専門家に相談すべきです。

婚姻費用の正確な算定には、高度な専門知識と経験が必要であり、ネット上の情報で判断することは危険だからです。

例えば、上記のとおり、婚姻費用は双方の収入をもとに判断しますが、この収入の判断についても正確な知識が必要です。

特に、相手が自営業者や副収入があるような場合、専門の弁護士でなければ適切な判断が困難と思われます。

したがって、ネット上の情報のみではなく、離婚問題に詳しい弁護士に相談するなどして適正額を把握するようにしましょう。

婚姻費用の適正額の調べ方については、こちらのページも御覧ください。

POINT②第三者に間に入ってもらう

婚姻費用の適正額がわかれば、それをもとに相手と協議します。

しかし、相手が納得してくれない場合は、当事者間での協議は困難と考えられます。

このよう場合は、第三者に間に入ってもらうことを検討しましょう。

具体的には、弁護士に交渉を依頼するという方法が考えられます。

離婚問題に詳しい弁護士であれば、婚姻費用について、専門家としての意見を述べることで相手を説得できる可能性があります。

また、合意が成立した場合、婚姻費用の合意書を取り交わすことも可能なので、後からのトラブルを防止できるでしょう。

次に、ご親族や知人の方に間に入ってもらうという方法も考えられます。

しかし、トラブルに巻き込まれることで迷惑がかかるかもしれません。

また、相手からすれば、専門家でもない素人の方からの意見に対して、耳を傾けようとしない可能性もあります。

また、家庭裁判所に婚姻費用の調停を申し立てて、調停委員会に間に入ってもらうという方法も考えられます。

しかし、この手続きは裁判所を通すため、解決まで長期間を要すると考えられます。

また、調停は平日の日中に開催されるため仕事を休むなどして勤務先に迷惑がかかるかもしれません。

 

 

まとめ弁護士以上、婚姻費用について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

婚姻費用は、別居中であっても、義務者には原則として支払い義務があります。

また、婚姻費用は、毎月発生するため、請求する側にとっても、請求される側にとっても、金額がいくらになるかは重要です。

婚姻費用の適正額を判断するためには、高度な専門知識と経験が必要と思われます。

そこで、婚姻費用でお悩みの方は、ぜひ一度、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

当法律事務所の離婚事件チームは、婚姻費用の諸問題に精通した弁護士のみで構成される専門チームです。

離婚問題でお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

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執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)