婚姻費用算定表の「総収入」とは手取りの収入をいうのですか?

執筆者 弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の問合せ件数は累計1万件超え。

手取りではありません。

×を出す男性のイラストなぜなら、算定表は税金やその他経費等をも考慮して作成されているため、税金や経費等が引かれる前の収入を用いれば、自動的にそれらも考慮されて婚姻費用が算定されるからです。

では、その「総収入」とは何をみればわかるのでしょうか。

その最良の資料は直近の源泉徴収票や課税証明書です。

・源泉徴収票の場合・・・「支払金額」の欄に記載された額

・市民・県民税の課税証明書の場合・・・「給与の収入金額」の欄に記載された額(「所得 金額」の欄に記載された額ではありません。

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源泉徴収票の画像婚姻費用の算定にあたっては、支払義務の発生時点における総収入を確定する必要があります。

源泉徴収票や課税証明書は、前年度の総収入を示すものであり、支払義務発生時の総収入ではありません。

しかし、給与所得者の場合には、通常、前年度と同程度の収入があると推定されるため、前年度の源泉徴収票で支払義務の発生時点における総収入を認定できるのです。

したがって、支払義務の発生時点における総収入が、転職や昇格・降格などで前年度とは異なる場合には、前年度の源泉徴収票や課税証明書で総収入を認定することはできません。

この場合には、直近の給与明細書等によって認定する必要があります。

なお、給与明細書等によって総収入を認定する場合には、少なくとも直近3ヶ月分の平均値の12ヶ月分を総収入と認定します。

そして、ここにはボーナス等の有無及び額についても十分検討して総収入を認定する必要があります。

また、歩合給の場合でその変動が大きい場合や月の給料に賞与や一時金等が含まれていない場合、実費である交通費が含まれており、これを控除すべき場合、などがあるため、これらに注意しなければなりません。

 

 

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