別居婚で夫婦関係が破綻。訴訟による離婚を成立させたBさんの事例
職業:会社員
世帯年収:400万円
婚姻期間:10年
解決方法:裁判離婚
子どもなし
離婚を切り出した
相手:40代専業主婦
サポート無 | サポート有 | 増額利益 | |
---|---|---|---|
離婚 | 不成立 | 成立 | – |
婚姻当初から別居婚。10年目で離婚を決意したBさん。
Bさんは、10年ほど前に妻と婚姻しました。
もっとも、Bさんは妻と話し合い、婚姻当初から別居という形の生活を送ることにし、お互いの予定が合うときに定期的に会う関係を続けていました。
婚姻当初は、頻繁に会って食事をするなど円満な夫婦関係でしたが、次第にお互いの価値観の違いや金銭感覚の違いが顕著になっていきました。
それでも何とか円満な関係を築こうとしましたが、夫婦仲は年を追うごとに悪化していき、次第に些細なことで喧嘩をすることが増えていきました。
また、夫婦として十分なサポートをすることがなかったため、Bさんはこのまま夫婦関係を継続させていくことに疑問を感じるようになりました。
こうして、夫婦としての実態が次第になくなっていった中、Bさんと妻が会う頻度は極端に減っていきました。
そのため、Bさんは妻に、これ以上、婚姻関係を継続することができないと伝えましたが、妻は話をはぐらかすなどしたため、一向に離婚協議が前に進まない状態が続きました。
Bさんの離婚意思は強くなっていましたが、今後どのようにしていけばよいか分からなかったため、今後の進め方等についてアドバイスを受けるために、当事務所の弁護士に相談されました。
弁護士の代理交渉で離婚に応じない妻との離婚が成立
弁護士は、Bさんからこれまでの婚姻生活の実情や出来事等について、細かくヒアリングしました。
その上で、まずは話し合い(協議)による解決を試みること、それが功を奏さない場合に裁判上の手続きをとっていくこと等、今後の進め方についてアドバイスをしました。
Bさんは、自身で進めていくことが難しい状態だったため、弁護士に離婚の代理交渉を依頼されました。
協議離婚を開始
弁護士は、妻との離婚協議を開始し、まずは協議離婚の申入書を送りましたが、妻は弁護士との話し合いを拒否しました。
また、弁護士が連絡をとっても不通の状態が続きました。
こうした中、Bさんは一旦弁護士の代理交渉をやめて保留にしたいとの意思を示されたため、弁護士は一旦代理交渉を中止しました。
代理交渉を中止してからしばらくして、Bさんから弁護士に連絡があり、再び代理交渉を依頼したいとの要望がありました。
そこで、弁護士は代理交渉を再開させました。
しかし、相変わらず、妻とは連絡がとれず代理交渉が進まなかったため、膠着状態となりました。
離婚調停へ移行
一向に代理交渉が進まない状況だったため、弁護士はBさんに裁判上の手続き(離婚調停)に移行することを提案しました。
そして、Bさんもこれに納得し、弁護士は離婚調停を申し立てました。
ところが、妻は離婚調停への出席を拒んだため、調停は2回目で不成立となりました。
離婚訴訟を提起
この頃、Bさんとしては何とか離婚をしたいという気持ちが更に高まっていたため、離婚調停不成立の後、すぐに離婚訴訟を提起しました。
結局、妻は離婚訴訟にも一度も出席することはありませんでした。
こうして、最終的には、離婚判決が出るという形で、本件離婚が成立しました。
補足
離婚について
本件には、
- 婚姻当初から別居という婚姻スタイルを採っていたこと
- Bさんが色々な手を尽くしたものの離婚できない状況が続いていたこと
- 妻が協議、調停・訴訟への参加を拒否していたこと
という事情がありました。
1. 婚姻当初から別居という婚姻スタイルを採っていたこと
夫婦関係が多様化する中、このような形の婚姻生活を選択することもある状況になっています。
法律上の離婚原因という観点から見たとき、婚姻当初から別居という婚姻スタイルをとっていたことのみをもって、安易に別居が継続している、夫婦関係が破綻していると評価することはできないと考えます。
そのため、離婚訴訟等においては、夫婦関係の実情や出来事等について、細かく事実を主張することが重要になってきます。
本件でも、離婚訴訟において、この法律上の離婚原因(「婚姻を継続し難い重大な事由があること」)を基礎付ける事実を丹念に主張していきました。
2. 色々な手を尽くしたものの離婚できない状態が続いていたこと
今現在、色々な手を尽くしているものの、なかなか離婚に応じてもらえないということで悩まれている方が多くいらっしゃると思います。
もちろん、各々にご事情があるかと思いますので、こうした場合にどのようにして進めていくことが適切かは個別具体的な事情により異なります。
離婚問題を解決していくにあたり、何ができるのか、また何が有効なのかについては、この問題を多く扱っている専門家弁護士のアドバイスが重要になります。
3. 妻が協議、調停・訴訟への参加を拒否していたこと
このようなことは決して珍しくありません。
その理由は様々かと思いますが、大事なことは、こちら側でどのタイミングでどのような手段を講じるかです。
本件では、協議による解決を諦め、調停に打って出ました。
そして、調停による解決も見込めなかったため、すぐに訴訟という手段を採りました。
「タイミング」と「打ち手」は、適切な解決をしていく上で重要になります。
こうしたことについては、離婚問題に精通した専門家によるアドバイスを受けることが有効です。
本件のBさんのように離婚で悩まれている方は、一人で悩まずに、まずはご相談いただければ幸いです。
離婚について、詳しくはこちらをご覧ください。
その他の事例はこちらからどうぞ
-
養育費の減額元妻からの養育費等の請求を減額し、短期間で解決したSさんの事例
-
離婚が成立するか別居婚で夫婦関係が破綻。訴訟による離婚を成立させたBさんの事例
-
離婚が成立するか離婚を拒む妻。短い別居期間でも調停で離婚を成立させたRさんの事例
-
慰謝料の減額元妻からの高額な財産分与と慰謝料の請求をゼロにしたKさんの事例
-
慰謝料の減額不貞の慰謝料を請求される前に弁護士に依頼し早期解決できた事例
-
慰謝料の減額他の女性と同棲した場合に離婚できる?【弁護士が事例で解説】
-
財産分与を減額示談後の慰謝料請求は認められる?【弁護士が事例で解説】
-
離婚が成立するか家庭内別居の状態で不倫。離婚できる?【弁護士が事例で解説】
-
離婚が成立するか離婚原因がないにもかかわらず3ヶ月のスピード離婚を成功させたSさんの事例
-
親権の獲得暴力を主張し自宅を出て行った妻から親権を勝ち取った夫の事例
-
慰謝料の増額亡き娘の夫から不貞慰謝料を勝ち取った父Tさんの事例
-
養育費の増額会社取締役の夫が財産分与と養育費、年金分割に応じ離婚した事例
-
養育費の減額暴言を吐く虐待妻と2か月で離婚成立させたYさんの事例
-
養育費の減額妻が再婚、養育費を打ち切りはできる?【弁護士が事例で解説】