親権の停止・喪失ができませんか?【弁護士が事例で解説】

執筆者 弁護士 勝木萌
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)

弁護士の回答

家事事件手続法上の親権喪失又は親権停止の審判を申し立てることができます。

 

親権とは

親権とは、簡単に言えば、子どもを育てていくことができる権利です。

法律上の親権の内容としては、①身上監護権(民法820条)と②財産管理権(民法824条)に分けられます。

わかりやすく言えば、身上監護権は子どもと一緒に生活していく権利です。

財産管理権は子供に代わって子ども名義の預貯金等の財産を管理する権利です。

なお、親権と似た言葉として、監護権というものがあります。

親権を争うと最終的な結論(判決の確定)が出るまで長年月を要します。

そこで、親権者が確定するまでの間、暫定的に子どもを監護する親を決めることが多くあります。

このとき請求するのが「子の監護権」です。

子の監護権を請求する場合、当事務所では通常「子の監護者の指定の審判」を申し立てます。

親権について、詳しくはこちらのページも御覧ください。

 

 

子どもが虐待されている場合の対応

民法上、児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、親権者は「子の利益」のために監護教育すべき義務があることが明示され(民法820条)、不適当な親権行使等により「子の利益」を害する場合には親権を喪失し又は停止することができると定めています(民法834、834の2)。

したがって、親権停止又は親権喪失の確定審判によって、親権が全面的に制限されることになります。

親権の喪失と親権停止の効果の違いは、その制限が一時的なものに過ぎないのか、それとも永続的なものかという点です。

親権者にとっては、当然、喪失の方が影響が大きいということになります。

それでは、両者はどのような場合に認められるのでしょうか。

この点について、民法は以下のように規定しています。

親権喪失が認められる場合

親権喪失の原因としては、「親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき」と定められています(民法834条)。

ただし、「2年以内にその原因が消滅する見込みがあるときはこの限りでない」とされています。

親権停止が認められる場合

一方で、親権停止の原因は、「親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」と定められ、「その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、2年間を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める」とされています(民法834条の2)。

上記の条文から、親権喪失の場合は親権停止と異なり、「著しく」という文言が加わっているのがわかります。

したがって、親権行使の困難さ又は不適当さ、子の利益侵害の程度がいずれも著しく、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間が2年を超える場合には親権喪失を、そうでない場合には親権停止を検討することになります。

子の利益を著しく害するとは?

子どもの生命を具体的に危険にさらしたような場合、子どもの生活状況が将来的長期的にわたって損なうような場合、子どもの精神面、心理面に与えた影響が甚大で、回復に長期間を要するような場合などは、基本的に子の利益の侵害は著しいものといえるでしょう。

不貞行為した場合に親権者になれないのかはこちらをご覧ください。

 

 

児童虐待の類型

児童虐待には、具体的には以下の4類型があるとされています(児童虐待の防止等に関する法律2条)。

①身体的虐待 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること
②性的虐待 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること
③ネグレクト 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による①②又は④に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること
④心理的虐待 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと

デイライト法律事務所勝木萌上記のように、児童虐待は、殴る・蹴る等の身体的なものだけではありません。

例えば、家庭内で夫が妻に対して、暴力を振るっても、児童虐待に該当する可能性があります。

子どもからすれば、親に対する暴力は、自分に対する暴力と同様に傷つくからです。

これらの虐待の程度によっては、上記の親権喪失や親権停止を検討すべきこととなります。

また、児童相談所等の行政機関と連携することも重要となります。

 

まとめ弁護士以上、親権喪失及び親権停止について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

虐待は、子さんの健やかな成長に大きな悪影響をあたえる恐れがあるため、迅速に動く必要があります。

当事務所の離婚事件チームは、離婚問題に精通した弁護士のみで構成されるチームであり、お子さんの親権に関するご相談を多く承っております。

親権喪失等の適否について、ご相談者様と一緒に考えて、最適な結論を導くようサポートいたします。

また、親権者喪失等の手続きをとる場合、代理人として家庭裁判所に審判を申し立てることも可能です。

親権や監護権についてお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

ご相談の流れはこちらからどうぞ。

 

 


親権
執筆者 弁護士 勝木萌
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)